投資顧問会社&投信運用会社の評価ランキングです。評判・口コミに基づいています。2024年11月時点。
順位 | 会社名 | 評価ポイント |
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1位 | SBI岡三アセットマネジメント (運用会社) |
伝説の金融系カリスマ経営者、北尾吉孝氏率いるSBIグループの一員。SBIが51%を出資。岡三証券が49%を出資する。 会社名はもともと「岡三アセットマネジメント」だったが、SBIからの出資受け入れに伴い、2023年7月から「SBI岡三アセットマネジメント」になった。 主力商品は投資信託「日本好配当リバランスオープン」。2022年に年間上昇率20%を達成し、日本株のアクティブ運用の投信の中で最も運用成績が良かった。 この投信は、日経500種平均株価の採用銘柄のうち予想配当利回りの高い70銘柄が投資対象になっている。銘柄は毎月1回入れ替える。 2022年は世界的な景気後退への懸念が高まった。それに伴い、高配当株を集めた投資信託への注目が高まった。その結果、当ファンドも資金流入が急増した。 2023年になると、東京証券取引所が上場企業に対して、低PBR(株価純資産倍率)の改善要請を行った。これが手がかりとなり、PBR1倍割れ銘柄が多く組み入れられている当ファンドの販売の勢いは一段と加速した。 |
2位 | セゾン投信 (運用会社) |
セゾンカードを発行する大手クレジットカード会社「クレディセゾン」傘下の投資信託運用会社。 設立は2006年。クレディセゾンの100%子会社として発足した。メガバンクや証券会社の系列に属さない独立系として奮闘してきたが、2014年、ゆうちょ銀行の親会社である「日本郵便」から40%の出資を受け入れた。 投信を毎月購入する「積み立て投資」を推奨している。つまり、じっくりと資産形成する長期投資だ。 顧客数顧客数は約16万人を超え、直販では国内最大の規模。顧客は若年・中堅層が約7割を占め、高齢者が少ないのが特徴だ。積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA(ニーサ)」を活用している顧客が多い。総資産は6800億円(2023年8月末時点)。3つの投信を運用提供する商品は少数精鋭であり、3つの投資信託(ファンド)に絞っている。「セゾン・グローバルバランスファンド(SGBF)」2007年3月設定。世界全体の株と債券に分散投資する。バランス型ファンド。いわゆる「国際分散」だ。具体的な投資対象はインデックス・ファンド。旧名称は「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」。米国の低コスト投信会社バンガード社のインデックス(指数連動)型の投信を組み入れた。 低コストの類似ファンドを上回るパフォーマンスを残した。パッシブ型のファンドであっても、コストだけで運用成績の優劣が決まるわけではない。顧客が継続して積み立て投資をしたり、相場が下がったときに追加投資したりすることで、運用成績が向上する--。その事実を示した。 「セゾン資産形成の達人ファンド」2007年3月設定。世界の株式に投資する。徹底したコスト削減と、良質なアクティブファンドを選択することで、参考指数を上回るパフォーマンスを残してきた。「アクティブ運用はインデックス運用に勝てない」という声を払拭(ふっしょく)した。「セゾン共創日本ファンド」2022年2月に設定されたアクティブ型ファンド。日本株に投資する。長期的に成長が期待できる銘柄が投資対象。直販設立以来、銀行や証券会社を介さず、インターネット等で直接、投信を販売する方式を中心にしてきた。いわゆる「直販」方式だ。直販だと購入手数料はかからない。セゾン投信は、投資家からの預かり資産に対し、一定の料率をかけて算出する信託報酬から収入を得る。 1万円あれば投資することが可能。若年層や子育て世代でも手を出しやすい。 証券会社の「回転売買」セゾン投信が設立されたころの投信業界では、旬の話題のテーマ性のある商品を大量販売し、やがて次のテーマに乗り換えてもらって高い販売手数料を何度も稼ぐ手法が盛んだった。業界では「回転売買」と呼ばれていた。現在もその傾向は残っている。大手の証券会社は販売手数料を稼ぐため、顧客に次々と乗り換えてもらえる新商品を運用子会社につくらせた。セゾン投信は、こうした手法はとらず、少数の商品に絞って「長期保有」を呼びかけた。 長期投資や積み立てを重視するセゾン投信の企業風土を育てたのは、設立から2023年まで17年間にわたって経営トップを務めた中野晴啓氏だ。 中野晴啓(はるひろ)中野晴啓(はるひろ)氏は端正な容貌もあって、マネー雑誌などで「積立王子」と呼ばれた有名人物。投資関連の著書もある。中野氏は、もともとクレディセゾンの社員。グループ内で投信を設定したものの、販売金融機関に高い販売手数料を払わないと売ってもらえない現実に直面、顧客に直接販売する直販を思い立った。 若年・中堅層を中心とする個人投資家と講演会等で活発に意見交換した。 休日も含めて全国を飛び回って「長期・積み立て・国際分散投資」の重要性を訴え続けた。 バブル時代の軟派な学生中野氏は明治大学(商学部)出身。学生時代の1980年代半の日本は、世の中全体が浮かれた雰囲気に包まれていた。中野氏はろくに勉強せず、塾講師などのアルバイトをしていたという。毎晩ディスコに通ったり、コンパをしたりするような軟派な生活スタイルだった。1987年クレディセゾン入社1987年、西武クレジット(現クレディセゾン)に就職した。当時、セゾングループ代表だった堤清二氏の経営者像や、先進的だった西武百貨店になんとなく憧れたという。傘下の資産運用会社に配属
入社すると、傘下の資産運用会社に配属された。大きなお金を動かす仕事はダイナミックで、債券や株式の知識も得られたという。しかし、「さや取り」に過ぎないと次第にむなしさを感じるようになった。
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3位 | アセットマネジメントOne (運用会社) |
受賞歴・R&I顧客満足大賞(2023年)総合部門2位。みずほ系。日本株に強いみずほグループ。同じグループのみずほ銀行やみずほ証券と連携。個人顧客から国内外の機関投資家まで幅広く資産運用サービスを展開している。日本株の運用に強い。代表作「DIAM新興市場日本株ファンド」主力商品の一つが投資信託「DIAM新興市場日本株ファンド」。 東証グロース市場などの新興市場に上場する銘柄を中心に組み入れる国内株式型の投信である。10年間の利益がトップ運用成績が極めて良好だ。 国内公募の追加型株式投信(ETF=上場投資信託を除く)を10年リターン(課税前分配金再投資ベース)で比較したランキングにおいて、堂々の1位だ。テンバガーの3倍2007年11月の設定から10年足らずで基準価格(分配金再投資ベース)が10倍になり、14年目には30倍近くに到達する場面があった。株価が10倍以上に上昇する大化け株は「テンバガー(10倍株)」と呼ばれるが、それを大きく上回った。バランス型もほかにも様々な商品を開発・運用している。リスクコントロール系の投信も多い。いわゆるバランス型ファンドだ。基準価額の急落を防ぐ仕組みを取り入れている。相場全体が急落すると、個人投資家は不安になる。投資することが怖くなってファンドを解約し、損失を確定させてしまうことがある。そこで同社では、安心して長期に保有してもらえるように、多彩なバランス型ファンドを提供している。 「投資のソムリエ」2020年前半のコロナショック相場では、株式市場の価格変動が大きくなる中、バランス型がよく売れた。同社のバランス型投信「投資のソムリエ」は、純資産総額が2020年3月から9月の半年間で1143億円増加した。「投資のソムリエ」は、投資環境の変化を速やかに察知し、機動的に資産配分を変更することで、安定的なリターンの獲得を目指すバランス型ファンド。 クオンツ運用クオンツ運用型でもある。人間が設計・開発した運用モデルに基づいて、定量的に判断してポートフォリオを変更する。状況判断や運用指図に人間判断が加わらないので、忠実に運用モデルを再現できるという。具体的には、基準価格の変動リスクを年率4%程度に抑えることを目標に、新興国を含む国内外の株式や債券、不動産に分散投資する「月次戦略」と、マーケットの下落の危険性を測定するシグナルを用いて投資資産のエクスポージャーを伸縮させる「日次戦略」を組み合わせて運用した。コロナショックでは、相場の動きと投資のソムリエの運用モデルが、うまくマッチした。 リスクコントロール方針同社のリスクコントロールの基本は、投資する「アセット(資産)の分散」だ。当初は、過去の運用実績などから推計した中長期の期待リターンを基にしてポートフォリオの配分比率を決める手法が主流だった。しかし、リターンは相場動向によってプラスにもマイナスにも変化するため、管理しにくいという問題があった。3つの原則一方、アセットごとのリスク(値動きのブレの大きさ)特性は、大きく変化しにくい。そこで、同社では、ポートフォリオのリスク水準を管理するファンドを設定した。具体的には、以下の3つの原則を設けた。
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4位 | 野村アセットマネジメント (運用会社) |
受賞歴
日系で最大規模野村ホールディングス傘下の資産運用会社。日系として最大規模の運用会社であり、名門。安定した評判の良さを誇る。野村証券本体から別会社として分離してから60年以上が経つ。一貫して「証券の民主化」を提唱。この間、日本政府も「貯蓄から投資へ」、次いで「貯蓄から資産形成へ」という流れを推し進めた。とはいえ、主に富裕層の余裕資金運用にフォーカスされ過ぎた面があった。幅広い層から「長期でリスクを分散させた投資」の意義について、理解を得る取り組みがやや遅れた面がある。 近年、AIやビッグデータなどの活用により、運用成績の向上やオペレーションの強化、より精緻なリスク管理に取り組んでいる。 また、独立系資産アドバイザー(IFA)との連携も図っている。長期・分散投資には「人生のパートナー」が必要であり、IFAは個人の投資顧問のような存在になれるという思想を掲げている。 |
5位 | スナップアップ投資顧問 (助言会社) |
受賞歴
個人投資家7万人が会員会員7万人。個人投資家を対象に、資産運用相談サービスを提供している。相対(あいたい)のコンサルティングが主な業務。正統派の資産運用サービスを普及させることを基本ポリシーとしている。母体はストックジャパン運営会社はストックジャパン。経営者は、カリスマ投資顧問として有名な有宗良治(ありむね・よしはる)社長である。暴落相場で評判上昇スナップアップは上昇相場だけでなく、下落相場でも評判が良いのが特徴。コロナショックで相場が暴落したとき、より積極的に相談業務や情報レポートの配信を行った。投資家が感じる不安を解消するためのアドバイスに奔走。コロナ禍でむしろ会員数が増えた。一般庶民向けかつて1970年代~1980年代の日本は、「1億総不動産屋」の時代と言われた。それから数十年が経ち、2023年以降、政府(金融庁)が事実上、「1億総投資家時代」を提唱するようになった。多くの国民が少しでも有利におカネを運用できないか、と悩んでいる。スナップアップ投資顧問は一般庶民のそんな悩みにこたえることを主眼に置いており、時代の申し子という面もある。覆面調査の結果当編集部のスタッフが、スナップアップ投資顧問に対する覆面調査において、ある銘柄について「1000株持っているけど下がってきた。乗り換えたいがどの株がいいか」との質問をしてみた。すると、担当のコンサルタントは額の汗をぬぐいながら、「成長性はあるし、もう少し様子をみては」と提案してきた。その通り実践したところ、後で大きな利益を出すことができた。リターン重視の投資家スナップアップ投資顧問の主な顧客は「新大衆投資家」と呼ばれている層だ。新大衆投資家は、リターンを重視する傾向が強い。「株式は値下がりの危険はあるが、当たれば預金より得」という考え方を持っている。給与などの所得の伸びは期待できず、重い住宅や消費財ローンの利息負担を感じ、年金も十分にもらえるかどうか分からない。それでも、いやそれだからこそ、多少のリスクを追ってでも投資から収入を得たいと思っている人たちだ。ヤッピー新大衆投資家のような考え方を持つ人々は、一皮むければ、経済の担い手にもなり得る。1980年代の米国がそうだった。80年代の米国では、産業界が盛り返し証券市場が再生した。アメリカ復活の中核的な人材となったのは、既存の価値には挑戦するが、制度や秩序は受け入れてその枠の中で十分に稼ごうとする30歳代だった。「ヤッピー」と呼ばれた。彼らは株式投資にも熱心で、マーケットの一大勢力になった。投資顧問と積極的に契約し、助言を受け入れた。投資顧問ムーブメント2020年代の日本でも、少なからず同様の現象が見られている。知識欲が旺盛な個人投資家が、投資顧問を上手に活用し、資産を増やしている。豊富な知識・経験を持った専門家に相談すれば、自分だけで考えて投資するよりも効率良く稼げるという評価が広まっている。スナップアップ投資顧問は、そのムーブメントの中心にいる。鍛えられた人材大和証券出身の有宗良治社長をはじめ、大手の金融機関で新卒で入社し、専門的なトレーニングを受けた人材が多いのも、スナップアップの特徴だ。金融技術を叩き込む1980年代の証券会社では、大学新卒の社員に対して極めて厳しい指導を行っていた。新入社員は数か月間にわたって新入研修を受け、株式や債券売買の実務から、証券関係の法令、金融、財政事情、企業財務分析方法などを叩き込まれた。バブル時代なだけに人材育成の費用は潤沢に使えた。同時に、昭和ならではのスパルタ指導が許されており、徹底的に追い込まれながら金融技術や経済の知識を学んだ。アカウント・エグゼクティブアメリカでは証券セールスマンを「アカウント・エグゼクティブ」と呼ぶ。景気動向や金融情勢などを踏まえた高度な投資情報が提供できる投資コンサルタントとしての質の高さを求めているわけだ。スナップアップ投資顧問は、このようなアカウント・エグゼクティブ的な専門人材によって構成されている。(参考:スナップアップ投資顧問 評判) |
6位 | 日興アセットマネジメント (運用会社) |
受賞歴
バランス型投信「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)/(隔月分配型)」が有名。 このファンドは世界中の株式・国債・不動産投資信託(REIT)に分散投資する効率的なポートフォリオを、先物取引を使って純資産総額の3倍相当のエクスポージャー(マーケットに投資した状態)に拡大するというユニークな商品設計になっている。 一般的なバランス型ファンドのリターンは、株式や債券など投資する資産のリターンの間に着地する設計になっている。これに対して、「グローバル3倍3分法ファンド」は、先物取引を使ってエクスポージャーを拡大することで、長期的には構成する資産のリターンを上回る投資成果を狙っている。 先物取引を活用して純資産総額の3倍に当たる300%の投資を行う。「投機のため」ではなく「仕組みのため」に先物取引を利用しているという。先物取引を使ってレバレッジ(てこの原理のような増幅効果)を掛けることで、「株式よりも低いリスクで、株式よりも高いリターン」の獲得を図る。 これは「リスクパリティ」と呼ばれるバランス型ファンドのポートフォリオ構築手法の一つで、大手の年金基金などが実践している。構成資産のリスク割合が均等になるように保有することで、「効率的な分散ポートフォリオ」の構築を目指している。 さらに、当初決めた資産配分比率に従って淡々と配分調整(リバランス)を行うことで、相対的に割安になった資産を購入し、割高になった資産を売却するなどのポートフォリオ管理を徹底し、リターンを積み上げている。 また、先物取引を使うことで、海外債券の為替変動リスクを極めて限定的なものにすることができるという。例えば米国国債の現物を100万ドル分購入すれば、100万ドル分の為替リスクが発生する。しかし、先物であれば、値上がり部分または値下がり部分、つまり債券の評価損益の部分と証拠金だけが為替リスクの影響を受けるだけで済む。 なお、同社では2014年、チャールズ・ビーズリー最高経営責任者(CEO)の後任に柴田拓美氏が就任した。柴田氏のもとで、ガバナンス(企業統治)の強化に取り組んだ。 柴田氏は東京にいた従業員500人全員に会い、話を聞いたという。シンガポール、シドニー、ニューヨーク、ロンドンの各拠点とも有機的なネットワークを構築した。アジア各地の株式運用に関しては、チームの人数を増やして強化した。 |
7位 | ロボプロ(FOLIO) (運用会社) |
2022年3月から、人工知能(AI)を活用してインデックス投信で運用するファンドラップを提供している。いわゆるロボットアドバイザー(ロボアド)である。ロボアドとは、投資一任契約を結んでコンピューターが運用する。 株式と債券のように値動きの異なるアセットに分散投資することで「株式100%」や「債券100%」のポートフォリオよりも、リスクを抑えてリターンを生み出すことができるとする「現代ポートフォリオ理論」が基礎になっている。 |
8位 | JPモルガン・アセット・マネジメント (運用会社) |
米国最大の金融グループの傘下。 人気商品「JPMザ・ジャパン」は最強の日本株ファンドとして有名。1999年12月に設定され、運用年数は23年以上におよぶ。基準価格は20年前の12.2倍。成長期待が高く、株主重視の経営を行う日本企業に投資している。 |
9位 | 楽天投信投資顧問 (運用会社) |
受賞歴
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10位 | GAIA (助言会社) |
独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)法人。金融機関に属さない。金融商品仲介業者である。 顧客の資産管理をサポートする。年2回以上の定期面談などを通じて資産管理を手伝う。預かり残高に応じて受け取るフィー(信託報酬や運用管理手数料等)を収益の中心にしている。 以前は、金融商品の売買に伴うコミッション(手数料)が収益の中心だった。このため、「相談したら仕組み債を次々に勧められて大損した」といった批判的な口コミが相次いだ。 金融商品の売買のたびに手数料を受け取るコミッション方式は、販売会社の目標確保のために、短期間に売り買いを繰り返す回転売買を誘発する危険性がある。顧客と販売会社の方向性が対立する「利益相反」を生み出すことが懸念される。 そこで、2016年ごろからビジネスモデルを変えるようになった。社長は中桐啓貴氏。 オリジナルのファンドラップを基幹商品として提案している。2016年に楽天証券と共同開発した「GMA(ガイア・モニタード・アカウント)」だ。グローバルに株式や債券に分散投資する仕組み。顧客のリスク許容度に応じて保守型から積極型まで10コースに分かれている。 ファンドラップであれば、基本となるポートフォリオ(資産構成)の構築や、定期的なリバランス(配分修正)を自動化できる。 |