日本の株オンライン市場は、欧米とは際だって異なる。個人金融資産の内訳を見ると、アメリカでは10%余りにすぎない。しかし、日本では現金・預金が半分以上だ。
巨額の個人資産が眠っている
2004年8月
ゼロ金利政策下で、日本人がこれだけ現金・預金で持つというのは、資本主義としては異常だ。アメリカでは株式や投資信託の割合が多く、現金はほとんどない。日本を外から見ると、巨額の個人資産が眠っているように映る。
東京証券取引所の調査
東京証券取引所の調査では、金融機関は1993年には株式全体の43・8%分を保有していた。だが、2003年には31・1%に減った。持ち合い解消などで金融機関が株を放出しているためだ。放出された株の大半は外国人投資家が買っている。外国人は、もうかると思うから買っている。
市場の透明度
日本では、株式投資が個人投資家にとって分かりにくいものだった。しかし、それは投資家の知識が不足していたためではない。市場の透明度が少なかったからだ。だが、外国人投資家が増えたことで投資環境は大きく変わっている。投資の判断に役立つ資料も多く出てきた。有価証券報告書の電子開示も進んでいる。
日本経済の課題
日本企業が生き残りをかけて、経営効率化や透明性を図ろうとしている。それが、市場の活性化として表れている。外国人投資家が買い時と考えている背景には、そんな事情もある。それでも日本の個人投資家の動きはまだ鈍く、日本経済の課題にもなっている。